【京都・醍醐寺】散り際の桜に魅せられて。歴史の光と影に触れた一日「醍醐の花見」で知られる世界遺産、醍醐寺へ行ってきました。今回の目的は、もちろん春を彩る桜です。訪れた時はちょうど「チリはじめ」。満開を過ぎた頃でしたが、それでも境内は圧倒されるほどの華やかさでした。ひらひらと舞い落ちる花びらが石畳をピンク色に染め、今しか見られない儚くも美しい光景が広がっていました。心もお腹も満たされる「おうどん」散策の合間にいただいたおうどんが、驚くほど美味しかったです。お出汁の優しい香りが五臓六腑に染み渡り、少し歩き疲れた体に元気をチャージしてくれました。京都の落ち着いた空気の中でいただく温かい一品は、まさに至福のひとときです。豪華な庭園に佇む「藤戸石」の悲しい記憶お腹を満たした後は、三宝院の庭園へ。そこで一際存在感を放っていたのが、天下の名石「藤戸石(ふじといし)」です。豊臣秀吉が愛したこの豪華な庭園の主役ともいえる石ですが、その背景には悲しい伝説が隠されています。この石は、能の演目『藤戸』の題材としても語り継がれています。物語の舞台は、源平合戦のさなかの備前国。源氏の武将・佐々木盛綱は、平氏を討つため地元の若い漁師から海を渡れる「浅瀬」を教わります。しかし盛綱は、他者に情報が漏れることを恐れ、恩人であるはずの漁師を刺し殺し、死体を海へ沈めてしまいました。その後、わが子を奪われた母親の悲痛な訴えに心を動かされた盛綱が供養を行うと、海から漁師の亡霊が現れます。亡霊は恨みを語りますが、最後には真摯な弔いによって成仏していく……という物語です。美しい庭園の中で静かに鎮座するその姿を見つめていると、石を巡る権力者の執念や、歴史の華やかさの裏にある切なさに、思わず胸が締め付けられるような思いがしました。終わりに美しい桜に癒やされ、美味しい食事に満足し、そして歴史の重みに思いを馳せる。単なる観光以上に、心に深く刻まれる一日となりました。散り際の桜は、どこか人生の無常を感じさせてくれますね。また違う季節にも、この場所を訪ねてみたいと思います。





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